オープンPCR出荷へ

What's New!?


ベイエリアの起業家のペアは、既製のコンポーネントと500ドルほどで組み立てることができるオープンソースのサーマルサイクラーを設計しています。彼らはまもなく自分のワークペースで組み立てた最初のキットを最初の顧客への出荷する予定です。
(2011/02/19, genomeweb)

ガレージバイオロジーについて2

Environments


日本でのDIYバイオは、おそらく、

  • 参加(見込み)人数
  • 資源入手の可能性
  • 遺伝子組み換え等分子生物学実験に関する法令

その他いろいろと障害が多すぎて成功しない...
バイオインフォマティクスに特化するなら
「日本で」
DIYバイオという必要はなさそうだが...
さて、どうするか...

泡立て器を使う遠心分離

DIY tools手動で遠心分離

ハーバード大学の研究チームが手動泡立て器を使った遠心分離機を開発しました。彼らの報告によれば、この遠心機でヒトの血液から血漿を分離することができたということです。
感染症診断のための免疫検査では、多くの場合、血液から血漿を分離することが必要となってきます。この遠心機は泡立て器にポリエチレンのチューブがつながった構造をとっており、このチューブのなかに血液を入れると、説液細胞が沈澱し、血漿が上澄みとして得られます。


(Egg beater as centrifuge: isolating human blood plasma from whole blood in resource-poor settings. Amy P. Wong, et al. Lab Chip, 2008, 8, 2032-2037より。)

この遠心機は、身近で安価な素材を用いて遠心機を作ることができる、というよい例です。

週末ハッカソン

FutureLabCamp
4月にニューヨーク(もしくはボストン)で、バイオロジスト、アーティスト、エンジニア、デザイナーが集まるハッカソンが開かれます。

FutureLabCamp is a weekend hackathon (fri-sun) taking place in NYC (or Boston?) this April.

A weekend celebrating the exchange of biologists, artists, engineers and designers. Join our lecture series and participate in a three day hackathon and camp-out at our venue. We will develop imaginative make/shift devices and prototypes interacting with biological systems to investigate the future of biotechnologies.(Wired, 2011/02/06)

紙と両面テープで作れるマイクロ流体チップ

DIY tools3円で作れる(?)マイクロ流体チップ

安価で簡単に作れるマイクロ流体チップがハーバード大の研究チームによって開発されました。2008年末に「米国科学アカデミー紀要」(PNAS)に掲載されたこの新たなマイクロ流体チップは、紙と両面テープでできており、単純でありながら複雑な流路パターンを構築できます。

紙を利用するこの検査を考案したハーバード大学の化学者たちは、もう少し手を加えれば、使いやすい多層式のマイクロ流体チップを、約3セントの原材料で作れる可能性があるという。
『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)に掲載され、12月8日(米国時間)にオンライン公開された論文の執筆者の1人であるAndres Martinez氏は、「われわれの研究は、紙を使った分析システムを3次元にすることによって、その可能性を広げることを目指してきた」と話している。
この装置は、主に発展途上国での使用を念頭に開発されてきました。
発展途上国では、費用、耐久性、使いやすさが、多くの医療技術における障害となっている。しかし、紙製のマイクロ流体チップのように安価で単純な方法なら、医療診断の目的のほかにも、環境要因、水質、動植物の健康状態などのモニタリングに利用できる可能性がある。 (Wired Visionより。)


この安価で簡単に作成できるという点で、この紙と両面テープで作ることができるマイクロ流体チップはDIYバイオでの使用に向いているはずです。

More about 分子生物学

Introduction to Biotech


分子生物学とは


DNA分子の立体構造。(Wikipedia, DNAより)


分子生物学は生命現象を分子レベルに還元して理解しようという学問です。現在の生物学の主流ともいえる分野です。微生物やウイルス、ハエの研究からはじまり、現在では脳、再生、免疫、癌などに研究対象が広く拡大しています。この分野の最大の発見はなんといっても1950年代のDNAの二重らせん構造の発見です。この発見により遺伝子の分子構造が解明され、更に遺伝情報の流れ(セントラルドグマ)が発見され、遺伝暗号の解読がなされて、分子生物学は急速な発展を遂げてきました。そして1970年代までに遺伝子を切り貼りするための制限酵素とDNAリガーゼが発見、単離、開発され、細胞にDNAを導入する形質転換の技術が開発されると、生物工学はその応用の幅が一気に広げ発展を大きく加速していきました。この他にも多くの技術が開発されてきました。


分子生物学の基礎知識