PCR

Introduction to Biotech


DNA増幅法


PCRサイクル(Wikipedia, PCRより。)

ゲノムDNAなどをテンプレートに、増幅したい領域の両端にプライマーと呼ばれるテンプレートと相補対をなす短いDNA断片そして耐熱性DNAポリメラーゼを用いてサイクル反応(プライマーとのアニーリング→伸長反応→二本鎖の解離)を行うことにより、目的とするDNA領域を増幅します。

PCR
2本鎖DNAは、水溶液中で高温になると、変性し1本鎖DNAに分かれる。変性が起こる温度は、DNAの塩基構成および長さ(塩基数)によって異なり、長いDNAほど高い温度が必要になる。
このようにして1本鎖DNAとなった溶液を冷却していくと、相補的なDNAが互いに結合し再び2本鎖となる(アニーリング)。急速に冷却すると、長いDNA同士は2本鎖に再結合しにくいが、短いDNA断片(オリゴヌクレオチド)は結合できる。
PCR法では、増幅対象(テンプレート)のDNA、DNA合成酵素(DNAポリメラーゼ)および大量のプライマーと呼ばれるオリゴヌクレオチドを予め混合し、前述の変性・アニーリングを行う。その結果、長い対象1本鎖DNAの一部にプライマーが結合した形ができる。プライマーがDNAよりも圧倒的に多い状況にしておくことで、DNA-プライマーの結合がDNA-DNAの結合より、さらに優先的になる。
この状態でDNAポリメラーゼが働くと、プライマーが結合した部分を起点として1本鎖部分と相補的なDNAが合成される。DNAが合成された後、再び高温にしてDNA変性から繰り返す。
以上述べてきたようにPCR法は、DNA鎖長の違いによる変性とアニーリングの違いを利用して、温度の上下を繰り返すだけでDNA合成を繰り返し、DNAを増幅する技術である。
PCR法開発当初はDNA変性の時にDNAポリメラーゼが失活するためサイクル毎に酵素を追加していたが、現在ではTaqポリメラーゼなど好熱菌の耐熱性DNAポリメラーゼを用いることで連続して反応を進めることができる。(Wikipedia, PCRより。)



おまけ
PCRの歌