Garage biology, Nature

 2008年初めて、DIYバイオロジストが脚光を浴びた。メディアではその有用性、可能性が注目されている。DIYbioがバイオテク諸問題に対して、国民の才能と解き放ってくれるというイメージがある。同様に生物テロの危険性にも目を光らせる必要がある、というイメージも強い。
 しかし、こうしたイメージは間違っている。ほとんどのバイオハッカーは、一流高校のレベルである。これはバイオハッカーの能力を過小評価しているわけではなく、施設の設備なしではバイオの研究は難しいということなのだ。それゆえ、ガレージからは画期的な研究やテロ行為につながる活動を行うことは難しい。
 こうした中、FBIのDIYbioへの対処方法は一歩先を行っている。捜査官をDIYbioの会議に参加させたり、逆にDIYbioの指導者を対テロ会議に参加させたりしている。そして地域の警察や消防には対処方法を教えている。
 より現実的な問題は基本的な安全性についてだ。どのようにして有害な化学物質や微生物から身を守るか、遺伝子組み換え生物をどう処分するか、といった問題である。専門家の助言が安全性のガイドラインを作るのに役立つかもしれない。バイオハッカーたちは地域の大学や病院の安全委員会に関わらなければならなくなるかもしれない。その場合は研究施設に関する規則や法律の下に、活動が制限されることになる。
 バイオハッカーは、現在成長しつつある「市民サイエンス」の一翼を担っている。市民サイエンスが広がれば、一般の人々はより科学を支持するだろうし、また、新たなアイデアを出してくれるかもしれない。こうした活動が法律でがんじがらめになっているのは残念なことだ。

(Garage biology, Natureより)